軟骨のすり減り以外にも着目する

膝の痛みは内側に出ることが多く「変形性膝関節症」「鵞足炎」などと言われることが多い。実は、「変形=痛み」ではありません。膝には骨、軟骨、靭帯、半月板、関節包、筋肉、筋膜、脂肪体などたくさんの組織があり、軟骨の問題だけで片付くものではありません。

疑問点 1 軟骨に痛みの神経はない

軟骨には神経がないのに、なぜ軟骨のすり減りで痛みを感じると言えるのでしょうか?感覚神経は、触る感覚、温度の感覚、関節が動いた感覚、痛みの感覚、バランスの感覚とそれぞれ神経が別に構成されています。痛みの感覚神経がないと痛みを感じません。

この画像は、膝の各組織に刺激を与えて、何を感じるか実験したものです。軟骨は「痛みなし」となっています。痛みが出たのは、脂肪体と靭帯でした。

ちなみに、「軟骨がすり減ると骨に圧がかかり痛みが出る。」という説明ですが、骨の関節面には痛みを感じるための骨膜がないので、これも疑問が残ります。骨の中も痛みを感じないはずです…

疑問点 2 変形の程度と痛みの強さ

これまで施術した方の中には、

  1. あまり変形していないのに痛みが強い人
  2. すごく変形しているのに痛みが軽い人

そんな経験は少なくありません。変形しまくって腰も悪くて手すりなしでは歩けないおばあちゃんも膝を柔らかくしたら痛みがなくなりました。歩き方は変わらなかったけど。「膝の関節面を圧迫するから痛い。」という1パターンの理由では無理があります。軟骨や関節面以外にも過剰な圧迫を受けている部分があるはずです。

〜ポイント〜

膝の痛みを改善するためには痛みを感知している膝の組織を柔らかくし、長期的に痛みを改善するためには体幹から下肢全体へのアプローチが必要なのです。

タイトルとURLをコピーしました